再生紙の定義!?

はっきりしない再生紙の定義と、それが投げかけるものについて考えてみます。
再生紙偽装問題の中で、古紙パルプ配合率の偽装という重大な問題の他、もう1つクローズアップされている問題があります。

それは「再生紙」にははっきりした定義がない、というものです。古紙パルプが入ってさえいれば、たとえ1%でも、再生紙と名乗っていいというのです。消費者の心理としては、おかしいんじゃないの、というのが正直なところです。広辞苑では「回収した故紙から作られた再生パルプを主原料とする紙」となっており、企業側との認識の「乖離」が明らかです。

そうした点も踏まえ、再生紙偽装問題を受けたグリーン購入法特定調達品目検討会では、「再生紙(これと類似の用語を含む。)と表示して販売する場合は、最低保証される古紙パルプ配合率の具体的数値を付記する」こととしています。

また製紙メーカーの業界団体でも、「『再生紙(これを類似の用語を含む)と表示して販売する場合には最低限保証される古紙パルプの配合率の具体的数値を付記する」という方法を推奨』しています。

逆説的にいうと、環境省、製紙業界ともに、今後は古紙パルプ配合率を記しているものを再生紙とする、といっているようなものです。

現実には、こうした流れとは反対に、これまでR100マークを表示していたものが、いつの間にか「再生紙を使用しました」という表示に切り替わっているものをいくつも目にしています。昨今の事情で、100%再生紙が使えない、70%も無理だ、10%、20%といったものしかない。とはいえ、R10マーク、R20マークというのはみっともない。仕方ないので「再生紙」だけにしておこう、という心理が伺えます。

しかし、「1%でも再生紙ってどうなの?」という消費者意識の中、「再生紙」だけの表示は、配合率が低い用紙としか伝わらず、かえって消費者の目を欺いているというマイナスイメージになるのではないでしょうか?

一方で、仮に「R10」と表示した場合、当然の反応として、残りの90%ってどうなってるの?という疑問が生じるでしょう。はたして環境への取り組みをコミュニケーションする表示として適切でしょうか?

図らずとも、古紙パルプ高配合率再生紙の生産縮小、さらに再生紙偽装問題を通じて、印刷用紙の環境配慮は、新しいステージに入ろうとしているといえるのではないでしょうか。古紙パルプだけではなく、バージンパルプについても、環境配慮を行い、表示を行うことが求められるようになっているといえます。

ただし、現状ではそうしたニーズを満たす用紙マーク等はないのが実際です。FSC森林認証紙が最も近いといえますが、マークや仕組みの分かりやすさ、また森林認証紙が日本全体の需要を満たすようになるには長い年月がかかるだろうということを考えると、第三の道が必要になってくると考えられます。

エコ印刷研究会では、紙の環境配慮、またその表示について、引き続き、研究、情報交換等を行っていく予定です。ご意見等ありましたらぜひお寄せください。
(2008年5月 2日)