第2回 古紙リサイクル対応 (5/22開催)

エコ印刷研究会「印刷物の古紙リサイクル対応」についてのご案内です。
概要 再生紙偽装問題等により古紙リサイクル活動に大きな影響が生じる一方、森林枯渇の深刻化、国産資源の活用など、一層の古紙利用が求められています。政府はグリーン購入法基本方針において印刷物の作成における古紙リサイクル対応を強化し、リサイクル対応型資材の選定とリサイクル案内・識別表示を基準化しました。印刷発注者としてどのような取り組みを行っていけばいいのか、リサイクルの現状や課題を踏まえ研究します。
またエアコンのパンフレットの調査結果をレポートします。
内容
  • 古紙リサイクルの現状と課題
  • グリーン購入法基本方針改定にみる政府の取り組み
  • リサイクル対応型印刷物の作成
    <リサイクル対応型資材選定とリサイクル案内表示>
  • 印刷実例研究「商品パンフレット(エアコン)の環境配慮」
開催日時 平成21年5月22日(金) 13:30~16:30
会場 環境パートナーシップオフィス EPO会議室
東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F
地下鉄表参道駅(徒歩5分)/JR渋谷駅(徒歩10分)
参加費
(資料代)
3,000円(1名様につき)
講師 西原 弘氏 (サステイナブル・デザイン研究所 取締役社長)
寺田 勝昭 氏 (P&Eマネジメント代表)
奥山 淳 (エコ印刷研究会事務局)
ご案内
(PDF版)
PDFファイル


セミナーの模様

グリーン購入法基本方針改正のポイント

環境省 総合環境政策局 環境経済課 増田直人様

 第一部は、環境省 総合環境政策局 環境経済課 増田直人様より、今年度の グリーン購入法基本方針から「印刷」と「紙」を中心にご説明いただきました。

 今回の改正では、コピー用紙に注目が集まっていますが、古紙リサイクルに ついての対応が強化され、印刷物を作る際のリサイクル対応型資材の選定およ び識別表示、回収・再資源化の配慮など、インプットからアウトプットまで包 括的な政策となっています。

 コピー用紙の基準は、原料の一部に間伐材、森林認証材等、環境に配慮した バージンパルプを使用することができるようになりましたが、古紙は70%以上 配合することが必須であり、これまで通り、紙原料は古紙を中心とすることが 基本的な方針であるといえます。

 そして使用後の再資源化・リサイクルへの配慮として、印刷物作成の際に、 古紙再生促進センター・日本印刷産業連合会で研究が続けられている「リサイ クル対応型印刷物」の考え方が導入されました。古紙リサイクルを阻害する資 材を使わず、印刷物全てをリサイクル対応型の資材で作成するものです。リサ イクルできないものは作らない・使わないという強い意志表明とも取れます。

 もう1点、回収面では、「庁舎管理等」の「清掃」の基準においても、分別 ・回収での古紙リサイクルへの配慮などが定められました。

 再生資源を積極的に使用し、使用後の再資源化にも最大限配慮する、今後の エコ印刷のあり方を示す基準であるといえるのではないでしょうか。


古紙リサイクルの現状と課題

サステイナブル・デザイン研究所 西原 弘様

 第二部は、10年以上に渡り、紙リサイクルに関する多数の調査研究に従事さ れていますサステイナブル・デザイン研究所 西原 弘様より、古紙リサイクル の現状と課題、リサイクル対応型印刷物の作成について解説いただきました。

 古紙の資源としての特徴、回収率や利用率の推移、古紙の利用拡大のためど のような取り組みが行われているのかご紹介いただきました。

 古紙の活用における最大の問題は、古紙にリサイクルを阻害する物質が混入 し、出来上がった製品に重大な障害が発生することです。古紙回収量の増加と ともに大きな問題となっています。

 古紙利用率は、さまざまな関係者の取り組みのもと、1990年からの20年間で 50%から60%まで高めることができました。この数字をみても、利用率を上げ ていくことは簡単ではないことが伺えます。板紙への古紙利用は9割を超えも はや限界であり、今後の利用率向上には、品質要求の高い用紙への利用を高め ることが必要で、ますます困難になっていきます。

 こうした中、西原様は、製紙原料の環境配慮を考える上で、個々の紙製品の 配合率を高めることに固執するより、紙原料の調達、利用、回収の見通しを踏 まえたマス・バランスを明らかにし、「総量」で考えることが重要だと提言さ れました。


印刷物発注者・発行者の対応

 続いて、エコ印刷研究会事務局 奥山 淳より、印刷発注者・発行者が古紙リ サイクルに取り組むべき4つの理由と題して、印刷発注者の立場でのリサイク ル対応の必要性を紹介しました。

 古紙リサイクルの推進は、次の4点への取り組みにつながり、製紙業界、印 刷業界、自治体等に任せるだけでなく、印刷物を事業活動に利用する企業の立 場でも積極的な対応を行うことが重要です。

  1. 循環型社会形成
  2. 森林問題
  3. 地球温暖化
  4. 環境コミュニケーション

 奥山の説明の後、今回研究会に参加いただいた古紙リサイクルに携わる皆様 からのご意見を頂戴いたしました。

  • YKK株式会社 環境・安全衛生グループ 野田太平様
  • 富士工業技術支援センターOB 牧田輝夫様
  • 日本再生資源事業協同組合連合会 片岡 繁様

 また当日はお越しいただけませんでしたが、NPO法人東京・多摩リサイクル 市民連邦 江尻京子様からのメッセージをご紹介いたしました。

 古紙リサイクル・分別回収は、身近な取り組みである一方、よりよい社会と するためにできることがまだまだあります。特に企業活動においては、オフィ スでの分別回収の広がりに比べ、大量に作成し使用する印刷物の再資源化への 配慮が十分であるとはいえません。今後の取り組みの広がりに期待するととも に、エコ印刷研究会でも取り組みの支援、情報伝達のお手伝いをしていきたい と考えています。


印刷実例研究「エアコンの商品パンフレット」

 最後に、事務局 野地葉子より、「エアコンの商品パンフレット」13点の調 査結果をレポートいたしました。

 第1回研究会でご紹介した、環境報告書・CSRレポートと同様に、紙・イン キとも環境表示の後退が継続していることが明らかになりました。製紙会社等 では、すでに再生紙偽装問題は終わった問題であるととらているかもしれませ んが、市場は全く収束の様子をみせていません。このまま再生紙が不名誉な烙 印を押されたままであることは、環境対応にとって大きな損失です。再生紙の 復権にできることを考えていかなくてはなりません。



(2009年5月22日)