エコ印刷研究会
 
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 環境配慮用紙の考え方
 
再生紙と森林認証紙とどちらが環境にいいのでしょう?

これまで、紙の環境配慮というと、再生紙がほとんどでしたが、近頃は森林認証紙が注目されています。森を守るためには、紙をリサイクルし、再生紙を使うだけでなく、木を切るところから管理しないと十分ではないということです。適切に管理された森林を認証する仕組みを森林認証といい、森林認証パルプを一定基準含む紙を森林認証紙といいます。中でも一番有名なのが、FSC(森林管理協議会)で、印刷物に「FSCミックス品」というマークを付けることができます。

例えば、環境報告書の印刷では、30%もFSC森林認証紙が採用されています(ちなみに再生紙と表示しているものは60%) (※エコ印刷研究会調査)。その他にも、非木材紙、間伐材紙など、色々な環境配慮用紙が利用されています。

さて、そこで気になるのは、表題の通り、再生紙と森林認証紙とでは、どちらが環境にいいのだろうか、という点です。

エコ印刷研究会では、材料となっているパルプの「合法性」「持続可能性」に着目して、環境特性を考えています。もちろん、その他にも、漂白の負荷(白色度)、塗工量、CO2排出など、様々な要素がありますが、まずは森林保護という観点を重視したものです。

1つ目のポイントは、用紙の種類名は、必ずしも原料となっているパルプを正確に表現しているわけではないということがあります。「再生紙」は、古紙パルプだけでなく、その他のパルプ(バージンパルプ)も使われています。同じように、「森林認証紙」や、「非木材紙」もそれぞれ森林認証パルプや、非木材パルプだけでなく、バージンパルプが使われています。各種団体等よる基準があり、FSCミックス(森林認証紙)は、森林認証パルプ10%以上(正確には含有量ではなく、クレジット制での認定)、非木材紙は、非木材パルプが10%以上などと決まっています。

用紙の環境配慮を考える場合には、用紙の種類ではなく、原料となっているパルプの環境特性をとらえることが必要になります。

環境配慮用紙とは?

環境配慮に優れた用紙とは、少なくとも下記の2点を満たす必要があります。

  1. 原料となるパルプの「合法性」「持続可能性」が担保できること
  2. 「合法性」「持続可能性」の担保されたパルプの割合ができるだけ高いこと
原料パルプと合法性・持続可能性

原料パルプと合法性・持続可能性を簡易的にチェックするための表を作ってみました。合法性・持続可能性の「○」「△」「×」はエコ印刷研究会による評価です。○は100%、△は50%として計算しています。

使用しているパルプの「含有率」欄を10〜100%で選んでみてください。満点は、合法性100%(50点)、持続可能性100%(50点)の場合の合計100点となります。

 
パルプの種類 合法性 持続
可能性
含有率
木材パルプ 森林認証パルプ
(FSCミックス)
植林木パルプ
間伐材パルプ
製材端材パルプ
天然材その他 × ×
非木材パルプ バガス(植林材)
ケナフ(再・未利用材)
古紙パルプ

合法性
持続可能性
合計(100点中)

(2007.8.20) 間伐材・製材端材パルプの評価につきまして
  これまで間伐材・製材端材パルプの持続可能性を「△」としていましたが、再・未利用材の利用促進の観点から「○」に変更いたしました。
 

ちなみによく使用される環境配慮用紙は、下記のようになります。前述のように、パルプの環境配慮以外にも、漂白の負荷(白色度)、塗工量、CO2排出など、様々な要素があり、総合的に判断しなくてはなりませんが、森林資源の保護に着目した場合、「R100」(古紙パルプ配合率100%再生紙)と「FSCミックス」とでは、前者の方が環境特性に優れるということができます。

なお、R100やFSCピュア以外でも、例えば、非木材パルプ(バガス)50%+古紙パルプ50%の用紙は、100点になります。

用紙銘柄 使用パルプ 合法性 持続可能性 合計
再生紙R100 古紙パルプ100% 100% 100% 100点
再生紙R70 古紙パルプ70%
その他30%
70% 70% 70点
FSCピュア 森林認証パルプ100% 100% 100% 100点
FSCミックス 森林認証パルプ10%以上
その他90%
100% 10% 55点
非木材紙 バガス10%以上
その他90%
10% 10% 10点
非木材紙 ケナフ10%以上
その他90%
10% 5% 7.5点
ガイドラインと環境配慮用紙

各種ガイドラインではどのように評価しているのでしょうか。

グリーン購入法ガイドライン
配慮事項 古紙パルプ配合率70%以上+合法性・持続可能性
判断の基準 古紙パルプ配合率70%以上+合法性

日本印刷産業連合会
「オフセット印刷サービス」グリーン基準
水準1 古紙パルプ配合率100%
古紙パルプ配合率70%以上+森林認証パルプ
水準2 古紙パルプ配合率70%以上
森林認証紙
非木材紙
間伐材紙

エコ印刷研究会の計算では、グリーン購入法の「配慮事項」、日本印刷産業連合会の「水準1」は、ともに満点の100点、「判断の基準」、「水準2」はそれ以下の点数ということになり、整合が取れています。

用紙の選び方

用紙の環境配慮について考えてきましたが、紙にはそれぞれ、機能や特徴、風合いなどがあります。印刷物の目的を達成するため、用途に合わせた用紙選択が必要です。

カロリーや栄養素だけで食事を選べないのと同じ様に、環境特性だけで、用紙を選んでも、目的と違っていては、印刷物が活用されず、結局は無駄になってしまいます。

印刷物の目的と環境負荷をバランスさせ、適切な用紙選択を行うことが求められています。

 
2006年12月19日

 
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