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 古紙リサイクルの現状と課題
 
古紙リサイクルの現状

日本の古紙回収率は約70%、一方、古紙利用率は約60%となっています。

海外に輸出されるなど、余っているように見える古紙ですが、実は足りていないのだそうです。余っているのに、全然足りないとはどういうことなのでしょうか。

紙と板紙

一般的に紙は紙でひとくくりに考えてしまいますが、正式には、印刷用紙などの「紙」と、段ボールなどの「板紙」に分類されます。古紙リサイクルを考える場合、紙と板紙との分類が重要な要素になります。

印刷情報用紙、衛生用紙など(一部は包装紙としても使われる)
板紙 主に包装材料として使用される段ボール原紙、白板紙など

古紙リサイクルは、紙から紙へ、板紙から板紙へと、単純に同じ種類にリサイクルされるわけではありません。

印刷物は、紙だけではなく、インキはもちろん、ラミネート加工のフィルムや、製本用接着剤など様々な材料が使用されます。再生紙の製造工程で、これらの異物が取り除かれないと、製品となる紙に、斑点となって残るなど問題を起こします。段ボールなどの板紙であれば、多少異物が入っても構いませんが、印刷用紙など高い品質を要求されるものでは、不適格です。

このため、紙を主原料とする印刷物でも、製造・加工状態によって、紙になるもの、板紙になるもの、さらには古紙原料にはならず焼却処分されるものなどに分類されるのです。

印刷物
板紙(段ボール等)
焼却処分等

板紙は飽和状態

はじめに、日本の古紙利用率は約60%であると紹介しました。詳しくみてみると、紙の古紙利用率は、約37%(そのうち、印刷情報用紙は約27%)、一方、板紙では、約92%となっています。

段ボールなどの板紙は、ほとんどが古紙ですが、紙の場合、古紙は37%だけで、残りの63%はバージンパルプを使っていることになります。

飽和状態の板紙に比べ、紙はまだまだ余地があります(業界の研究では、42%程度まで上げることができるとされています)。つまり、古紙リサイクルを推進し、古紙利用率を高めるためには、紙の古紙利用率を上げていくことしか道はないのです。

余っているのに、足りていない!?

古紙回収率は、古紙利用率を上回っています。海外への輸出など、様々な要因がありますが、一番のポイントは、板紙にする古紙はたくさん集まっているのに、紙にできる古紙が足りないということです。

古紙の回収量を増やすだけではなく、古紙の品質を上げて、紙になる古紙を増やさなければなりません。1つは古紙リサイクル阻害要因と呼ばれる、古紙の品質を下げる材料や加工を減らすことです。もう1つは、そうした材料を使っていないのにも関わらず、紙ではなく、板紙になってしまうものを減らすこと、つまり正しい分別を行うことです。

分別と案内表示

ご存知のように、資源回収とリサイクルで重要なのは「分別」です。せっかく資源としてリサイクルできるものでも、分別されていなければゴミになってしまいます。

印刷物でも、紙になるもの、板紙になるもの、可燃ゴミとするものに分別する必要があります。しかし、印刷の専門家でも難しい分類を、印刷物を利用する個人が行うのは無理があります。

森林資源保全のためには、紙から紙へ、 印刷物から印刷物へ、再び生まれ変わる仕組みを普及・推進することが必要です。このための有効な手段が、印刷物への古紙リサイクル案内表示です。


  1. 古紙回収の一層の普及
    「不要となった場合には古紙回収・リサイクルに出しましょう」等の表示
  2. 古紙リサイクルの推進
    印刷物が紙になるものなのか、板紙になるものかの分類表示

1つ1つの印刷物は小さくても、積み重ねると、1100万トン以上にもなります(紙・板紙を全て合わせると、約3100万トン)。まだまだ自治体などの古紙回収システムは十分とはいえない面もありますが、印刷物を制作する立場で、積極的に情報を開示し、古紙リサイクルを推進することが、求められています。

印刷物制作者にできること
古紙リサイクル阻害要因の使用削減
印刷物への古紙リサイクル案内表示

 

古紙再生適性マーク

こうした観点から、エコ印刷研究会では「古紙再生適性マーク」を作成しました。「印刷物によみがえる印刷物」普及のため、ぜひご活用ください。

 
2007年1月22日

 
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